子供物の特徴
子供用着物(七五三用着物)についてご案内いたします。
大人用の着物と違い、いくつか特徴的な点がございます。
各年齢の共通点
子供物の特徴=「外あげ」を行う
子供用の着物等は、「肩あげ」「腰あげ」などの外あげを必ずいたします。
大人用の着物は、最初から体型に合った寸法で仕立てます。
それに対して子供用の着物は、最初からあえて大きめに仕立て、「あげ」をすることにより寸法を調節いたします。
これは、成長に合わせて寸法を簡単に直せるように考えられた先人の知恵です。
また、「あげのある着物を着ている=一人前ではない」ことを意味し、逆に“かわいらしさ”を演出しています。
【肩あげ、腰あげをする前の着物】
- あらかじめ大きめの寸法でに仕立てます。
- 裄の長い分は「肩あげ」を行います。
- 身丈の長い分は「腰あげ」を行います。
【肩あげ、腰あげをした後の着物】
- 肩の部分と腰の部分で、身頃をつまんで糸でとめます。
- つまむ量によって寸法の加減ができます。
- 袖をはずさなくても、肩上げによって寸法の調節ができます。
三歳児の場合
- 一般的に「帯」はしめません。
- 「被布」を上着として着用することが多いです。
- 着物一反で、「着物」と「被布」を作ることも可能です。
- お宮参りの際の産着を三歳児用にお直しすることも可能です。
- 七歳の時にも直して着られるように、あらかじめ大きめに仕立てることもございます。
五歳児の場合
- 「羽織」と「袴」を着用します。
- 羽織には、家紋を入れるのが一般的です。
- 羽織と袴は、現在では「丈あげ」をすることはあまりありません。
- お宮参りの際の産着を五歳用の着物にお直しすることは寸法的に難しいです。
七歳児の場合
- 七五三用の「帯」をしめます。
- “おはしょり”と同様に着付けをする場合は、「腰あげ」は不要となります。
- 比翼を付けることもございます。
- 大人用の振袖のように“柄合わせ”のある着物も多いです。